dnjiro’s 9VAe blog

誰でもアニメが作れる無料ソフト9VAeきゅうべえ開発者のブログ

プログラミング教育フリーソフトで 9VAeきゅうべえが第4位

2019年「ミスターPC」5月号、フリーソフト紹介のページで、プログラミング学習に適したフリーソフトのランキングがこうなっていた。

 

  1. 子供向けプログラミングツール:Scratch デスクトップ
  2. 初歩から学びたい人に適する:PG0
  3. 子どもの意見を取り入れて開発:プログラミングゼミ 
  4. アニメから学ぶプログラム:9VAeきゅうべえ
  5. ゲームでプログラミングの基礎を知る:ハナのマイクラでプログラミング冒険

 

9VAeきゅうべえはこう紹介されていた。

アニメーションに動きを追加していくという特殊な方法でプログラミングを学習、アニメ制作ソフトとしても使えます。

すばらしい紹介文だ。5位のゲームプログラミング(マインクラフト-Microsoft)よりも上になっているのがすごい。

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1.9VAeきゅうべえがプログラミング教育ソフトになる理由

9VAeきゅうべえがなぜ、プログラミングになるかというと、9VAeきゅうべえを開発した理由が、もともと絵を描く枚数を減らしてアニメーションを作りたかったからだ。

 

アニメーションに必要なコマを全部手描きすると相当な枚数になる。プログラミングで絵を作成するほうが楽にできる。例えば、同じ動きは部品化して使いまわす。部品を軌道にそって動かす。ループを簡単にする。羽ばたく鳥を飛ばそうとおもうと、階層化が必要だ。そうするとアニメーションがプログラムになっていく。全部のコマを手描きするのは、1から1000まで数字を足すのに、1+2+3+4+と全部の数字を書くようなものだ。これはループで書いたほうが簡単である。アニメーションを楽に作る手段がプログラミングなのである。(参考:9VAeきゅうべえのプログラミング要素

 

以下、ほかのソフトと 9VAeきゅうべえを比べてみた。

 

2.「Scratch」と 9VAeきゅうべえは伸ばすところが違う

1位が「Scratch」というのは納得できる。MITが開発した教育界でもっとも有名なソフトだ。プログラム言語を知らなくても、ブロックをならべていくことでプログラムができる。世界中で使われている。

 

プログラミングが作業手順の分解だと考えると、Scratchの基本単位がブロックだ。そのため、どんなブロックがあるかを知ることが重要である。もともとブロックはテキストプログラミングの命令をブロックで置き換えたものだったが、初心者がプログラム演習するときに、楽しく学習できるように、いろんなブロック(たとえば音がでるブロックなど)が追加された。

 

ロボットをブロックで動かす場合、ひとつのブロックは「1歩前進」だったりする。ところが実際の動きをみると、「1歩歩く」は右足と左足を動かしており、もっと細かく分解できるはずだ。ところが、ブロックの単位を細かくすると1歩歩くだけで大変になってしまう。

 

そのため、ブロックを使うプログラミングでは、用意されたブロックによって、できることが決まっていて、自由に思いついたことをプログラミングするよりも、答えが存在する与えられた課題を解くのに適している。与えられた課題に対し答えを勉強するようになってしまうと、教科書の勉強と同じになってしまう。

 

9VAeきゅうべえにはブロックがないのでなんでもできる

9VAeの場合はどうか、鳥が3羽、羽ばたいて飛ぶアニメをつくろうとすると、1羽の鳥をパーツにして、それを3羽複製するとよい。羽がはばたくところは、胴体と羽を別々のパーツにしておいて羽を上下にうごかすとよい。

 

この場合、羽というパーツや胴体というパーツ(ブロックに相当)が最初からあるわけではない。最初は自分で絵を描く。それをどうブロックにわけるか自分で考えるのである。

 

そのためブロックによる制限がない。だから子供が自由に思いついたことから始められる。例えば「モンスターが地面からもこもこと現れてきた。」と思いついたら、Scratch ならモンスターのキャラクタを探すことから始めるだろう。9VAeの場合は自分で描けばよい。もこもこと現れるとはどういうことか、自分で描いた絵を変形して、動きを考えればよい。つまり何からスタートしてもできるのである

 

Scratchと9VAeきゅうべえの似たところ

Scratchでプログラムを作ったら、期待どおりに動くか実行して確かめる。9VAeきゅうべえではアニメーションを再生して、期待どおりの動きになるか確かめる。細かく部品化していくと、複雑な動きが実現できるが、思ったとおりに動かすのが難しくなっていく。これはプログラムのデバッグ作業と同じである。9VAeきゅうべえのベクトル図形がソースコードであり、自由に修正できる。ブロックもプログラム言語もないが、プログラミング開発環境なのである。

 

ただ、9VAeきゅうべえでプログラミングができるようになるかというと、そうではない。自分で作業を分解するプログラミング的な考え方が身につくだけだ。そもそも変数がない。Scratchと9VAeきゅうべえは伸ばすところが違う。ぜひ両方体験してほしい。なお、9VAeきゅうべえを使えば、Scratchコスチュームが簡単に作れるので試してみてほしい。

 

3.「PG0」は数値、  9VAeきゅうべえは絵を扱う

PG0 はテキストでプログラムを書き、プログラム実行の仕組みがわかるプログラミング言語+開発環境である。筆者がさいしょにパソコンでBASICをつかったときはこんな感じだった。左側にプログラムを書いて実行すると、右側に自動的に変数が毎時表示される。値がどう変わっていくか表示されとてもわかりやすい。言語はCやJavaの基本機能だけ使える独自言語。

 

ただ算数をしらない幼児には難しいかもしれない。PG0  は数を扱う。9VAeは絵を動かす。扱うものが全く違う。9VAeは数という抽象的なものでなく具体的な絵を扱うので、幼児から取り組める。抽象的なことが苦手な子供には、9VAeから始めるとよいかもしれない。

 

ところが9VAeきゅうべえの内部では絵が数値で表現されている。線を右に移動させるには、X座標の数値を増やす。回転させるには行列演算を行う。 9VAeきゅうべえを開発したければ、PG0が理解できなければならない。9VAeきゅうべえがどのように動いているかと聞かれたら、PG0のようなプログラムが図形の頂点の場所を計算していると答えるとよい。9VAeをさわることで、なぜPG0が必要かが実感できる。

 

4.「プログラミングゼミ」は先生、9VAeきゅうべえは道具

プログラミングゼミはソーシャルゲームDeNAが本気で作った教育アプリだ。9VAeきゅうべえとは開発規模、レベルがまったく違う。低学年の子供がゲーム感覚でプログラミング学習ができる。一言でいえば「Scratch」をゲーム会社が作ったらこうなる。というアプリでよりわかりやすい。

 

使い方を動画で説明してくれる。やさしいサンプルを提示し、ステージを順番にクリアして難易度があがっていくのはゲームソフトと同じ作り方だ。iPadでやってみたが、これなら先生がいらない。ブロック言語をつかってキャラクタを動かす方法が身につけられそうだ。Scratch がよくわからないと感じたらこちらをやるとよいだろう。

 

DeNAと開発規模が違うので比較するのもおかしいが、9VAeきゅうべえは不親切で、先生のかわりに教えてくれる機能は全くない。

 

9VAeきゅうべえには練習用サンプルが付属しているが、基本は白紙からスタートする。線をひいた段階で、すべての子供は異なる地点から出発する。その後の展開を自分で考えなければならない。9VAeきゅうべえには便利な方法があちこちに隠れており、自分で発見してほしいと考えている。登山にたとえると、プログラミングゼミは整備された登山道だ。誰でもこの道を通って頂上までいける。見える景色は同じだ。9VAeきゅうべえは出発点がみんな異なり、さまよいながら頂上をめざす。大人が思いつかなかった新しい景色に出会う可能性がある。筆者は自分で使い方を見つけるツールが好きである。

 

9VAeはアニメGIFが作れる実用ツールでもある。順番としては、プログラミングゼミを先にやってみて、自分の世界を表現したくなったら、9VAeきゅうべえを体験してみるのがよいだろう。

 

5.「ハナのマイクラでプログラミング冒険」は3次元、9VAeきゅうべえは2次元

ハナのマイクラでプログラミング冒険は、Microsoft が教育向けに作成した解説書。Minecraftは3次元の世界を自分で作ることができる世界的にヒットしたゲームソフトで、その世界を構築するのに、MakeCodeというプログラミング環境を使う。その使い方をまんがで説明。

 

「プログラミングゼミ」がゲーム会社が作った教育ソフトとすると、こちらはもっと本格的だ。Windows版の 9VAeきゅうべえも VisualStudio という Microsoft のプログラム環境で開発している。本物感がある。ただ、試してみたが「Office 365 Education account」などのアカウントがないと実行できないようだった。学校の授業で使うものなのかもしれない。

 

 

以上まとめると、このランキングには、Scratch, DeNA, Microsoft, という巨人の中に、PG0 と 9VAeきゅうべえという小人がはいっているわけだ。とにかく「9VAeきゅうべえ」は異色だが、バランスがとれたすばらしいランキングだと思う。

 

普通、言語を使わないプログラミング学習といえば「Viscuit ビスケット」が有名だが、9VAe が選ばれたのは、目新しさのせいかもしれない。9VAe には、ほかのアプリと異なり、次のような特長がある。

  • 白紙からはじめる、みんなが違う結果になる。
  • 答えがない。自分で考える。
  • アニメーション自体がプログラムになっていく。奥が深い。
  • 実用的、役立つツールとして、ずっと使える。
  • ユーザー登録がない。個人情報を収集しない。広告なし、無料、ロゴなし。

 

ぜひ他の教育ソフトといっしょに、9VAeきゅうべえを使ってみてほしい。

 

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